俺たちに翼はない (1) (角川コミックス・エース 118-12)

読了。
amazonレビュー投稿するも即時反映されず。
以下同文。
山科の鬱描写は原作でちょっと分かりづらかったから、手で壁作ったり携帯いじったりしてるのは分かりやすかった。









コミカライズとしてはプレリュードから数えて第4巻目になります。

鷹志編は言うなればこの作品の「問題編」です。
おちゃらけた鷲介編、ちょっと尖った隼人編は雰囲気こそ違えどすんなり読めてしまうものになっています。
しかし、この鷹志編では正直何が何だか分からない。
妄想癖を持ち、且ついじめられ属性の主人公には感情移入出来る余地も少なく、単体ではあまり面白いものではありません。
そこかしこに散らばる謎を、何となくにしろ拾っていくことになります。

この編の面白さというのは、作品全てを読み終えた後にやってきます。
原作でも言えることなのですが、全てをプレイし終えて改めて鷹志編をプレイすると、初回での「モヤッと」が全て「スッキリ」に変わります。
その意味では、それらのポイントをしっかり抑えているこのコミカライズは評価出来るのかもしれません。


問題は、スローペースで進む月刊誌のコミックですので、ゲームのような「先が気になってどんどん進めてしまう」というのが出来ないのが辛いところ。
原作未プレイ者は、ただ続きを待つしかありません。
原作プレイ者に対しては、登場人物の「気づき」が視覚的に見えるので分かりやすいです。逐一のリアクションを見事に描いている点は毎度ながら感嘆します。


コミカライズ全体の出来如何でこの編の評価も変わる「博打」であるという意味で、☆3つ。
カバー裏ではグレタガルドでのスパロウのしましまが拝めます。